当研究所代表理事・所長の新井紀子によるリーディングスキルテストについての説明動画です(約16分)
リーディングスキルテストは、文章に書かれている意味を正確にとらえる力(基礎的な読む力・読解力)を測定・診断するツールです。読解プロセスごとに6つのタイプから構成されており、それぞれのタイプで読解の能力値を診断しています。
リーディングスキルテストで学習の阻害要因を突き止める
どの教科の教科書も、学習内容は文章で説明されています。その文章を「読む」ことができなければ、教科の内容を理解できることは決してありません。「リーディングスキルテスト」は、人が文章を「読む」際の11の読解プロセスに着目しました。
11の読解プロセスとは、「文節に正しく区切る」「『誰が』『何を』『どうした』のような構造を正しく認識する」「常識や知識から推論して、未知の用語の意味を位置づける」など、文章の読解に必要な力を11段階に区切ったものです。
このプロセスは、文章だけでなく図やグラフといったイメージや具体例から情報を読みとる際にも適用されます。「リーディングスキルテスト」では、そのプロセスが正しく実践されているかを測ることができます。
「読解力」を11のプロセスに区切り、それを7つの問題タイプで多面的に測ることで、つまずきの原因となる学習スキルの習得不足、基礎的な知識の欠落、気づかない不適切な学習行動といったさまざまな阻害要因が見えてきます。
学習に取り組む際、そのつまずき部分に留意させ、不足しているスキルを練習させたり、知識を補ったりすることで、「読解力」は大きく向上するはずです。知識と技能の習得において、状況に合わせた適切な情報処理能力を発揮させることで、学力全体の飛躍的向上が期待されます。
問題文を読めていない生徒が半数以上
リーディングスキルテストは選択式の問題のみで構成されています。そのため、乱択(サイコロを振って答えを選ぶ)でも正解する可能性があります。ただし、「乱択より正解が多い、とはいえない受検者の割合」を計算することにより、その問題分野で「ほとんど解けない可能性がある生徒」の割合を推定できます。2018年に実施した調査では、係り受け解析の問題において「ほとんど解けない可能性がある生徒」の割合は中学3年生で15.6%、推論の問題も65.1%、具体例同定(理数)では70.7%に上りました。すなわち、中学生の半数以上は、なんらかの意味で問題文が読めていないことになります。
読解のプロセスに基づく問題分野別
ランダム解答よりも正答率が高いとはいえない生徒の割合
問題分野 | 中学1年 | 中学2年 | 中学3年 | 高校1年 | 高校2年 |
---|---|---|---|---|---|
係り受け解析 文の構造を正しく把握する。読解力の最も基礎となる能力。 | 26.4% | 20.4% | 15.6% | 10.4% | 11.8% |
照応解決 代名詞が何を指しているかを正しく認識する。 | 32.4% | 23.3% | 18.9% | 9.8% | 11.7% |
同義文判定 与えられた二文が同義かどうかを正しく判定する。語彙力や論理力が必要。 | 67.5% | 58.4% | 43.7% | 42.8% | 55.2% |
推論 既存の知識と新しく得られた知識から、論理的に判断する。 | 80.3% | 77.3% | 65.1% | 53.2% | 51.1% |
イメージ同定 文と非言語情報(図)を正しく対応づける。 | 45.5% | 36.8% | 23.8% | 21.0% | 25.3% |
具体例同定 (辞書)辞書の定義を用いて新しい語彙とその用法を獲得できる。 | 57.5% | 48.4% | 41.1% | 43.6% | 54.2% |
具体例同定 (理数)理数的な定義を理解し、その用法を獲得できる。 | 86.0% | 75.7% | 70.7% | 53.8% | 69.5% |
- 中学校・高等学校の先生方、教育委員会の方
- 大学関係者 ・企業の人事
- 研修担当の方
それぞれのメリットを「受検のメリット」のページにご紹介解説しています。
実際にリーディングスキルテストを受検した方のご感想や受検を導入した団体・企業様からの声を掲載しております。
「導入事例」のページでリーディングスキルテスト受検機関の導入事例をご紹介しています。