研究授業を行いました(戸田市立戸田中学校)
6月20日(木)、埼玉県戸田市立戸田中学校で基礎的な読解力を高めるための研究授業が実施され、当研究所代表理事・所長の新井紀子がゲスト講師として中学3年生を対象に授業を行いました。
今回の研究授業は、中学3年生の国語の時間を用いながら理科の授業内容ともリンクする教科横断型の授業です。当授業は、6月11日に板橋区の校内研究会で本研究所研究員の菅原が提示した新井の授業案を、新井自らが実践した形となります。
今回は、リーディングスキルの「推論(既存の知識と新しく得られた知識から、論理的に判断する)」と「同義文判定(与えられた二文が同義かどうかを正しく判定する)」の2つの能力を育てることを念頭にしています。
戸田市で採用している中学3年国語教科書(光村図書『国語』)の「月の起源を探る」を教材に、理科教科書(大日本図書『新版 理科の世界3』)を使って太陽系の起源などの知識を確認しながら、批評的読解をするとはどのようなことなのかを学ぶことが目標になっています。
まず授業では、「月の起源を探る」を読み解くために必要な知識を理科教科書で確認したうえで、万有引力や遠心力について実験を通して理解できるように組み立てました。
それをふまえて、「月の起源を探る」で紹介されている月の起源についての4つの仮設、(1)分裂説、(2)共成長説、(3)捕獲説、(4)巨大衝突説について、教科書に書かれていることをひとつひとつ検証していきました。
授業後の協議会では、戸田中学校のRS部会の先生方と戸田市の戸ヶ﨑教育長と新井指導主事も参加されて、どのように子どもたちの読解力高める授業を行えるのか、教科横断型の授業を実施するためにはどのようにカリキュラムマネジメントを行っていったらよいのか、など熱い議論が行われました。