「メジャーリーグ問題」または「メジャーリーグ構文」とは、リーディングスキルテスト(RST)の6分野7項目のうち、「イメージ同定」のスキルを測るために考案された、特定の問題を指します。なお、「メジャーリーグ問題」や「メジャーリーグ構文」という呼称は通称であり、学術的な名称ではありません。
「イメージ同定」とは、文と非言語情報(図表など)を正しく対応させる力を指し、従来の「読解力」の文脈では、必ずしも明示的に診断・評価されてこなかったスキルです。
以下が、「メジャーリーグ問題」と呼ばれている問題です。
出典は、2016年発行の「中学生の地理」(帝国書院)の81ページです。
この問題は、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子著、東洋経済新報社、2018年)で紹介され、その後、テレビ(ワイドナショー等)やインターネットメディアで繰り返し取り上げられました。その際、日常的に流暢に日本語を使いこなす方々が、右下の図(アメリカ合衆国が28.0%、ドミニカ共和国がおよそ35%と示された図)を選択する例が見られ、話題となりました。
この問題は、提示文の「メジャーリーグの選手のうち28%はアメリカ合衆国以外の出身であ...
「アミラーゼ構文」とは、リーディングスキルテスト(RST)の6分野7項目のうち、文の構造を正確に把握する能力(係り受け解析など)を測るために考案された、特定の問題を指します。ただし、「アミラーゼ構文」という呼称はネットミームであり、学術上そのような構文が存在するわけではありません。
以下が、「アミラーゼ構文」と呼ばれている問題です。
正解は「デンプン」です。中高生を対象とした大規模調査での正答率は16.3%でした。
出典は、東京書籍「新編生物基礎」(19ページ、2016年)で、ちょうど高校入学したての4月ごろに学ぶ箇所からの引用です。
この問題が最初に紹介されたのは、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」(新井紀子著、東洋経済新報社、2018年出版)で、それ以降、フジテレビのワイドナショーやAbema Prime、NewsPicksなどで度々取り上げられる度に、日頃流暢に日本語を使う、MCやアナウンサーの方々が誤ってアミラーゼまたはグルコースを選択することでも話題になりました。
この問題はこれまでリーディングスキルテストにおいて項目応答理論に基づき数千人に出題されてきました。その結果から、次のような特長がわかりました。
「習っ...
「もう行った?」「うん!行ったよ」
「もうした?」「まだ、していない」
のように、主語(だれが)や目的語(どこへ、何を)を省略しょうりゃくすることがあります。
英語にはない、日本語の特ちょうで、「ゼロ照応しょうおう」といいます。
ゼロ照応は、文を短くするのに便利べんりです。紙面に制約せいやくがある新聞ではとてもよく使われます。
ただし、省略された主語や目的語が何を指しているかは、そこまでのやりとりや文章の内容ないようを知らない人にはわかりません。
「こそあど言葉」(これ・それ・あれ・どれ、など)やゼロ照応が指す言葉を正しくおぎなうことを「照応解決」といいます。
照応解決は、文章を読みこなす上でかかせない力です。
リーディングスキルテストを通じた調査によると、照応解決の力が高いほど、学力が高くなることがわかっています。
新聞を読むときも、照応解決を意識いしきしてみましょう。
「読むのが苦手」な人は、照応解決を意識しながら1日1つ、ニュースを読みとくことから始めましょう。
まず指示詞(「こそあど言葉」)に赤線をひき、何を指すか書きこんでみます。
次に、省略されている主語や目的語を、文中の言葉...
ふだん、こんな会話をしていませんか?
「きのう 図書室 調べた宿題 もう 出した?」
「うん、朝 出した」
この会話には「てにをは」などの「助詞じょし」が出てきません。
いつも会話をしている友だちやおうちの人に、単純たんじゅんな内容ないようを伝えるだけなら、助詞を使わなくても通じるかもしれません。
けれども、複雑ふくざつな内容になると、助詞ぬきでは情報を正確に伝えることはできません。
「0でわってはいけません」と「0をわってはいけません」の区別くべつがついていないと、「0÷2はしてはいけないのでは?」と思ってしまうかもしれません。
助詞を使いこなす力と学力の間には、関係があることが調査からわかっています。
新聞や教科書を読むときも、誰(何)が、誰(何)に対して、何をしたのか、関係を意識しながら読む習慣しゅうかんをつけましょう。
(一般社団法人 教育のための科学研究所)
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