活動報告

大阪府和泉市で講演を行いました

 

10月27日(木)に大阪府和泉市で開催された「令和4年度 第2回 リーディングスキルテスト活用研修会」において、当研究所主席研究員の菅原真悟が研修会講師を務めました。
研修会はオンラインで開催され、市内の小中学校の先生方の参加がありました。

和泉市は今年度、中学生と先生方がRSTを受検し、その結果を分析・活用し、授業改善・学力向上をめざしています。

 研修会では、当研究所代表理事・所長の新井紀子の『AIに負けない子どもを育てる』の10章「大人の読解力は上がらないのか?」をもとに、読解力を身に着けることの重要性について解説を行いました。

 そのうえで、今回のRST受検結果の分析をもとに、生徒が抱えている課題について説明し、生徒の読解力を高めるために、教員がどのような点に注意して教科書を読んで授業を行えばよいのかを解説しました。

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F-labo 9月例会を開催しました(rst-laboふくしま)

9月24日(土)にrst-labo ふくしま(通称:F-labo)の9月例会が郡山市労働福祉会館で開催されました。

 今回のF-laboでは、相馬市立桜丘小学校の加藤政記教頭より、今年度4月に赴任してからの様々な取組を「RSを視点にした授業改善と読解力向上の取組 ~とにかくいろいろやってみる~」と題してお話しいただきました。

 4月からの6カ月間、加藤先生は以下の6つについて取り組まれてきたそうです。

1 RSTガイドブック・RSペンの作成

  転入職員に対し、RSTへの理解を図るために、RSTのテスト設計や6つの問題タイプが分かるガイドブックを作成し配布した。6つの問題タイプを色分けし、カラーボールペンで教材研究する。

 

←RSペン

 

 

 

                      

 


2 チャレンジタイム(視写)の取組

  朝の帯時間を活用し、視写に取り組む。3分間で、正確にたくさん写すことを条件とする。誤字・脱字の確認をし、何文字書くことができたかを振り返る。視写を通して「時間内に書くこと」を意識させるだけでも、授業でめあてを書くときに全員がそろって書き終えることができるようになってきた。

(2年生の目標文字数は100文字。1回目平均77.4字。9/22現在、平均98.9文字)


3 学力向上推進委員会だより

  相馬市研究指導員会の内容や、校内授業研究会の成果と課題等について、この便りを通して全職員で共有する。 


4 その他(掲示物・新聞活用)
  作成したRSやってみましたシートを印刷室に一覧で掲示し、授業改善につながるヒントを得ることができるようにする。RSを子どもたちが意識できるような掲示を作成する。小学生新聞の記事を要約させ、丁寧にフィードバックする。テストや家庭学習においても、授業で学んだ読みのスキルを活用して読めているかを確認し価値づけしていく。

←廊下の掲示物に挑戦している児童たち

 「て」「に」「を」「は」「へ」「が」等の文字を マグネットで貼れるようにしておく。

  

 

 

 

 

 

 

 

5 授業研究会の実施

授業公開等の事前検討会では、教科書の内容を、それぞれの教員がRSの視点で教材分析をする。6つの問題タイプを色分けし、教科書のコピーに書き込むようにする。それぞれの教材分析を比較検討することで、先生方のRSの理解と教科書を読む精度が高まるようにする。

 

6  今後の取組(RSウィークの設定「互見授業週間」)

  授業参観し、授業の中にある「リーディングスキル」を見出だし、気付いたことを授業者にフィードバックする。→RSへの理解を深める。


 加藤先生の発表には、RS向上に結びつく数多くのヒントが散りばめられていました。それぞれの学校で取り入れられることを、今日から始めてみませんか?

 

 

 

 


F-laboのロゴマーク。たちあおいの花言葉:「大望」「豊かな実り」。

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燕市教育委員会で講演を行いました

8月8日(月)、燕市教育委員会の「研究主任会」において当研究所上席研究員の目黒朋子が講演を行いました。

今回の講演では、教員がRSTの6分野7項目を使って解像度高く教科書を読むとはどういうことなのかをワークショップを通して先生方に体感していただきました。

使用した教科書は、教育出版「中学社会 地理 地域に学ぶ」の168~169ページと、東京書籍「小学5年社会 わたしたちの生活と食料生産」の116~117ページです。

※    教育出版「中学社会 地理 地域に学ぶ」の模擬授業については、当ウェブサイトのこちらをご覧ください。


先生方が普段何気なく読んでいる教科書ですが、「その一方の「その」とは何を指していますか?」、「食品廃棄量と食品ロスは同じ意味ですか?」など、あらためて問われると、ほとんどの先生方が戸惑います。そこで、教科書見開き2ページをどのように読み解くか、読み解く際にはRSTのどのスキルを使うのかなど、具体的に例を示しながらワークショップを進めていきました。

【受講者の感想】

・ワークショップの中で、教師自身が「文章を正しく読み取れていないこと。」「小学校の教科書に出てくる語句の意味を正しく理解していないこと。」を実感した。

・「解像度高く教科書を読む」ということがどういうことか、難しかったが、非常によく理解できた。

・本時の目標を達成させるためにどうアウトプットさせるかを意識しながら授業を進めることで、読解力は育まれていくと感じた。

・児童の読解力の前に、教師自身が教科書を6分野7項目の視点で読み込むことが必要であると改めて気づかされた。

・今まで以上に児童の視点で教科書を読み、RSTを意識した授業づくりに励んでいこうという気持ちが高まりました。

・教師が脳に汗をかいて授業の準備することが、子どもたちの可能性につながっていくことを教わりました。

 

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富山県立山町教育委員会で講演を行いました

7月29日(金)富山県立山町町民大ホールで開催されたRST解説会で、当研究所主席研究員の菅原真悟が講演を行いました。解説会は、密にならないように町民大ホールで開催され、町内の全小中学校の先生方およそ130名の参加がありました。

立山町では、今年度から「『読解力』向上3か年プログラム」を開始し、児童・生徒の読解力の向上に取り組んでいます。

解説会では、まず読解力を身に着けることの重要性について、菅原の体験をもとに解説を行いました。

 そのうえで、小学5年生から中学3年生全員が受検したRSTの受検結果から、どのようなことが読みとれるのかを報告いたしました。

 また、児童生徒の読解力を高めるために、教員がどのような点に注意して教科書を読めばよいのか、普段の授業でどのような点に気を付ける必要があるかを、社会科の教科書を例にとって解説しました。使用した教科書は東京書籍の『新しい社会歴史』122~123ページと、東京書籍の『新しい社会地理』の58~59ページです。係り受け(主語と述語はどれか)や照応(指示詞が指すものは何か/省略された語句は何か)を意識して読むことや、児童生徒にとって親密度の低い語句に注意することなどのポイントをお伝えしました。

 質疑応答では、当初予定の時間を超過するほど質問があり、先生方の関心の高さが感じられました。

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RSTを導入した企業で研修を行いました。

4年前からRSTを社内研修の一環として導入している上場企業において、中間管理職の方を対象とした研修を行いました。

中間管理職は、部下から上がってくる日報・週報・報告書・企画書・設計書、外部から届いた仕様書・報告書・提案書など大量の「文書」に目を通します。「内容が伝わらない、わかりにくい文書」の割合が多いと、意図や内容を書いた本人への聞き取りや文書添削に多くの時間を割かざるを得ません。そのことが、中間管理職の忙しさに拍車をかけ、生産性向上を阻む隠れた要因になっています。テレワークやDXを進めようとする中で、まさにそこがボトルネックになっている、と悩む組織は少なくないのではないでしょうか。

上場企業のホワイトカラーの圧倒的多数は大卒です。説明文の書き方くらい、学校で学んでいるはず、と思われるかもしれません。しかし、中高では説明文を書く機会はほとんどありません。大学では成績評価のためのレポートはあっても、朱入れや書き方指導までは手が回りません。理系の場合、各研究室で論文指導が行われていますが、年々就職活動期間が長くなり、十分な指導ができないのが現実です。

「内容が伝わらない・わかりにくい文書」に対して、「これでは意味がわからないだろう」「SNSばかりやっていないで、もっと新聞や文学を読め」といった叱責や、逆に、上司が全部書き直してやる、といった対応では、部下はどう修正すればよいのかがわかりません。

今回は、「文章苦手克服のための20時間トレーニング」と題して、(インセンティブがある部下であれば)20時間程度で書き方の向上が見込める具体的かつ定型的指導の方法を伝授し、ご好評いただきました。

実際に「わかりにくい文書」を見せて頂きましたが、RSTの結果と相関しているところが大変興味深かったです。

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