導入事例
リーディングスキルテスト受検機関の導入事例をご紹介しています。
リーディングスキルテスト受検機関の導入事例をご紹介しています。
福島県教育庁義務教育課では、平成30年度より、県内の多くの学校でリーディングスキルテストを導入いただいています。
この度、令和3年の第1版に引き続き、「リーディングスキル向上実践事例集【第2版】」をウェブサイトに公開されました。
この事例集には、令和2年度から令和以4年度にかけて実施された「AI時代を生き抜く読解力向上事業」における研究協力校の実践研究と、リーディングスキルを活用した授業改善のポイントが詳しく載っています。
各教育委員会での取組の参考となる事例集ですので、是非ご活用ください。
令和3・4年度AI時代を生き抜く読解力向上事業
リーディングスキル向上実践事例集 [PDFファイル]
第1版はこちら
燕市教育委員会では、令和3年度よりスタートした「読解力」育成プロジェクトで、小学校6年生、中学校1年生、2年生、3年生を対象にリーディングスキルテストを導入されています。
詳細は以下の燕市のホームページよりご覧ください。
*当研究所代表理事・所長の新井紀子の講演も紹介されています。
福島リビング新聞社が発行するリビング小学生新聞に相馬市教育委員会のリーディングスキルテストの取り組みが掲載されました。
福島リビング新聞社様のご承諾を得て、記事を掲載いたします。
福島県教育庁では2018年度より、県内の多くの学校でリーディングスキルテストを導入いただいています。
このたび、リーディングスキル向上を目指した実践事例集を作成されましたので、以下の福島県のホームページよりご覧ください。
筑紫女学園大学では2019年度のCJアドミッション・ポリシー入試(以下CJAP入試)でリーディングスキルテスト(以下、RST)を導入されました。
RSTを導入された経緯や活用について筑紫女学園大学入試・広報班の榊様、生島様にお話を伺いました。
○RSTをお知りになったきっかけと、入試に導入された経緯を教えてください
新井先生の「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」を読んでRSTを知りました。
これからの時代は多様な視点で柔軟に物事を捉え、自らが考え表現していくことがより求められますが、そのカギとなる能力は「読解力」にあるのだと根拠を基に著されていました。これを大学入試に、また大学教育に活かせないだろうか、と考えました。
従来から入学後にはアセスメントテスト(GPSアカデミック)を利用し入試改革に取り組んでいましたが、より体系化したものとするため、異なる指標を測れるRSTを導入しようと考えました。
学内では慎重論も出ましたが、前向きに検討した学科がRSTの採用を決め、2019年度のCJAP入試で利用しました。
○貴学では2020年度からCJAP入試以外でもRSTを取り入れていらっしゃいます
昨年度の時点で、今年度は増やす予定でした。それは学部学科における「読解力」の特色の違いを入試時点で把握し、大学教育に活かすことで、それぞれの専門分野の学びがより深化できると思われたからです。また、他の入試でも利用することを検討しています。
○導入にあたりご苦労された点があれば教えてください。
「これで読解力が測れるのか」という意見もありましたが、教員養成系の学科など前向きに検討してくれるところもありましたので、まずは少しずつ導入を進めて実績を積み上げようと考えました。
○今後、学内での展開などは考えていますか?
2019年度のCJAP入試の前に、サンプルとして在学生にRSTを受検してもらいました。その結果と普段の学習状況と比較すると、納得感がありました。
在学生の受検は現在まだ予定していませんが、入学後にも受検し、継続性を見ていくことも検討したいと思います。
筑紫女学園大学では、高校生へ学問への興味のきっかけになってほしいという願いを込めて、youtube(https://www.chikushi-u.ac.jp/jojojo/)での動画公開など、さまざまな取り組みを行っています。
<学校情報>
筑紫女学園大学
教育による女性の地位向上を目指して1907(明治40)年に設立
https://www.chikushi-u.ac.jp/
群馬県高崎市にある東京農業大学第二高等学校でリーディングスキルテストが実施されました。 受検を担当された先生より実施報告をいただきましたので掲載いたします。 |
10月22日に「教育のための科学研究所」によって運営されている「リーディングスキルテスト」を1年生を対象に実施しました。このテストはベストセラーになった『AI vs 教科書の読めない子どもたち』の著者である新井紀子先生が主催する研究所によって研究開発された、汎用的基礎読解力を判定するためのテストです。
小学校から大学、一般企業に至るまであらゆる領域で活用され始めており、重要指導項目として自治体単位で取り組んでいるところもあります。
この度、本校1学年ではコロナ禍の影響で変更を余儀なくされた「総合的な探究の時間」の再編の中に取り入れ、学習に関わることとしてだけでなく、社会に出ても必要な力の基礎であるという位置づけにおいて指導していくこととしました。
担任団も全員、事前にこのテストに関する基礎知識を映像授業などを通じて学習し、今後指導に役立てる準備をしています。
直近での効果としては、テスト問題も含めた文章読解力に関する問題点を、生徒本人が把握し、担任団も生徒の理解力を把握してきめ細かい指導につなげていくことを、長い目で見たときには、社会人として他者の意見や仕事上の文章正しく把握し、有用な社会人になるための力をつけることを狙いとしています。今後、帳票で生徒に配布する予定です。
<学校ホームページ>
東京農業大学第二高等学校
愛知県名古屋市に本社を置く豊島株式会社ではリーディングスキルテストを今年度から導入しています。どのように導入・活用をされているのか、人事部の野口祐貴様にお話を伺いました。
○ RSTを知ったきっかけを教えてください
人事部長が新井紀子さんの本を読んで、RSTのことを知り、採用選考に導入するという運びになりました。併せて、人事部員で新井紀子さんの著書を読ませていただきました。
○ RSTの利用方法を教えてください
当社では、総合職の新卒採用選考時に利用しています。具体的には、選考ステップの途中で、3次面接まで進んだ方々に受検してもらっています。ただ、RSTの結果で学生を判断するのではなく、あくまで参考資料として導入しております。明確な基準はありませんが、合計点が低い学生さんは、弊社との相関性は薄いように感じます。
また、採用の参考情報として、既存の総合職社員も全員受検しました。
○ RSTを新卒採用に取り入れた決め手はありましたか?
一番の決め手は、入社後のミスマッチングを減らす為です。
近年、働き方改革が進行し、勤務時間が短くなっている関係で、短い時間で事務処理をする・効率よく働くことが求められています。
短い時間で効率よく働くためには、読む力や先輩からの指示をかみ砕いてすぐに理解する力が必要であり、その能力はリーディングスキルや理解力・思考力につながります。それらが求められる中で、リーディングスキルや理解力・思考力に長けていない学生が入ってしまうと、ミスマッチングになってしまう。そういうミスマッチングを減らす為にRSTを導入しました。
弊社は商社という業界に属していますが、商社=体育会系というイメージがあるかと思います。ただ、ガッツがあるだけではなくしっかり考えられる思考力が高い学生を、今後は採用したいと考えています。
○ 今後社内でどのように活用をしていく予定ですか?また、社内でリーディングスキルを向上させるための組織としての取り組みは検討していますか?
これまでは、総合職の新卒採用選考での活用のみにとどめていましたが、今年からエリア職の採用にも導入することにしました。現職のエリア職の受検や社内研修への導入も積極的に検討していきたいと考えています。
○ RSTに付随して欲しいサービス・情報提供などがあれば教えてください
他の企業での活用例が具体的に知りたいです。どう活用しているのか、どういう業界がどう使ってどういう結果になったか、というのをもらえると、更に効果的に社内活用できると思います。
<会社情報>
豊島株式会社
創業は天保12年(1841年)
繊維スペシャリストとして、専門力と総合力で業界をリードする繊維専門商社。
社員数:574名(男 332名、女 242名)[2019年6月30日現在]
https://www.toyoshima.co.jp/
奥羽大学は歯学部、薬学部を有する福島県の大学です。
薬学部では昨年に引き続き今年もリーディングスキルテスト(以下RST)を導入されました。薬学部教授の大島光宏 先生と准教授の伊藤頼位 先生から、RSTを導入した経緯や受検の感想などを当研究所の目黒朋子上席研究員と事務局が伺いました。
(目黒)リーディングスキルテスト(以下RST)を取り入れた経緯を教えてください。
(目黒)RSTを受検していかがでしたか、特に昨年と今年の受検で変化はありましたか。
(目黒)国家試験の自学自習をするためには、同義文判定のスキル向上が必要であると思います。そのあたりの取り組みについてはいかがですか。
(事務局)薬学部に限らず、国家試験が最終目標にある学校からの受検の問い合わせが増えています。
(事務局)今年度から受検の申込をオンライン化しましたが、昨年と比較していかがでしょうか。
*7月より、福島県内の小・中・高校および奥羽大学の先生方が協働で、RST研究会(仮称)を開催する予定です。
戸田市立笹目東小学校の取組について
本校では、校内研修で「教科書を正しく読める力」と「他人と協力してやり遂げる力」を身に付けさせることを目指し、主体的な学び合いを可能にするリーディングスキル(以下RS)を育む授業づくりの研究を進めてきました。年間を通して、「本校におけるRS育成とは」「各教科等におけるRS育成とは」について、授業を通した実践研究を低・中・高学年で行ってきました。
第3学年体育科での実践では、器械運動(単元名「トン・パン・ピタッでフワッと大きく跳び越そう~跳び箱運動~」)において、毎時間、めあてで示された動きを、児童が(言葉を用いて)伝え合ったり、動きで再現したりする時間を設定していきました。特に「ピタッ」と着地をしようというねらいで行った授業では、まず、「ピタッと」だけでは様々な動作がイメージできてしまうことを教師がおさえた後、友達の範例を見たり、動きからポイントを話し合ったりすることによって、理想とする着地の姿勢を共有することができました。
一つ一つの言葉がもつ意味、またはそのイメージを正しく定めたり共有化したりすることが体育の授業でも重要であることを実感できた授業となりました。このような授業を通して、RSの中のイメージ同定を育成することを目指します。
戸田市立戸田第二小学校の取組について
本校では、リーディングスキル(以下RS)の視点に基づく授業実践等を通して、子供たちに正しく読み取る力や正しく表現する力を育成することを目指しています。以下これまでの授業実践等の一部を紹介します。
算数では、第5学年「単位量当たりの大きさ」の単元末に、全国学力・学習状況調査のB問題をアレンジした問題場面を設定し、授業を行いました。この授業では、文章や表、グラフからそれらの情報を正しく読み取ることを通して、児童が問題文で「問われていること」に正対し、考えを説明できることをねらいとしました。導入では、与えられた情報の他に「どのような情報」が不可欠であるのか、4つの選択肢から答えさせる場面を設定しました。選んだ選択肢を発表し合うことで、個々の問題文の解釈の違いがより明らかとなり、問題文を正しく読む必要性を共有することができました。このように問題に正対し、表やグラフ等から情報を読み取る活動を通して、RSの中でも特にイメージ同定、具体例同定を育むことを目指していきました。
また、現在モジュール授業で、「スキルアップタイム」の時間を設定しています。
この取組は、右のようなプリントの問題に各自で取り組んだ後、どうしてそのような答えになるのか、友達同士で話し合うことを通して、問題文を正しく読み、論理的に思考・表現する機会を設けることをねらいとしたものです。問題例のように、低学年・高学年と難易度を変えた問題にチャレンジしています。