活動報告

F-labo12月例会を開催しました(rst-labo ふくしま)

rst-labo ふくしま(通称:F-labo)では毎月例会を開催し、福島県内の小学校から大学まで多くの先生方がリーディングスキルについて自発的に学びあっています。

12月の例会では、11月に開催されたリーディングスキルフォーラムの報告が行われた後、実践事例として小学校の先生より算数と国語の授業での実践が報告されました。
また、県内の教育委員会のご担当者より「将来社会を見通した行政施策『教育課程の在り方』について」報告が行われました。
当日は32名の先生方が参加され、熱心な意見交換も行われました。

【実践事例】

○第3学年算数科「わり算」 
ねらい:あまりのある割り算の答えの求め方を理解することができる。
<RSの活用>
問題を読解する時間の確保「係り受け」
文章から図や線分図に表す「イメージ同定」
文章の意味を図で確認し立式する「イメージ同定」

○第4学年算数科「ちがいに目をつけて」
ねらい:問題の構造を簡潔にとらえる図のよさに気付く。
<RSの活用>
問題文に書き表されていない2量の関係を読み解く「推論」
問題文を同じ意味になるように言い換える「同義文判定」
紙テープで2量の関係を表す「イメージ同定」

○第6学年国語科「ヒロシマのうた」
<RSの活用>
会話における主語や目的語を補う「照応」
文章を絵に表すことで、読みの誤りに気付かせ修正する「イメージ同定」
根拠に基づいて行間を読む「推論」

※算数科では、立式するまでに、国語科では、心情を読み取るまでに基礎的読解における様々な力が求められる。
教師には児童のつまずきを見取りながら、正しい読みを教えていくことが求められる。


(実践事例の指導案は受検団体専用のサポートルーム内で後日掲載します。)

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リーディングスキルフォーラム2019を開催しました

本フォーラムは終了いたしました
多くの皆様にご来場いただきまして誠にありがとうございました。

参加者数304名
各会場内訳(メイン会場192名、札幌10名、新潟10名、名古屋19名、大阪40名、福岡33名)

 

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【イベントのご案内】

「AIに負けない子どもを育てる」「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で注目の「リーディングスキルテスト」に
関する公式のフォーラムです。

開催日:2019年11月24日(日)

時 間:(午前の部)リーディングスキルテスト体験 10:30~12:00
    (午後の部)リーディングスキルフォーラム 13:30~17:00

会 場:【メイン会場】代々木ゼミナール 代ゼミタワー 東京都渋谷区代々木2-25-7
    【同時中継会場】代々木ゼミナール各会場(代ゼミタワー*・札幌校・新潟校・名古屋校・大阪南校・福岡校)
    *代ゼミタワーはメイン会場以外の教室は同時放映となります

参加費:無料

お申込み:お申し込みはこちらからお申し込みください ※代々木ゼミナールのサイトに遷移します
     取材をご希望の方はプレス専用申し込みからお申し込みください   

詳細はチラシをご覧ください。チラシ:RSF2019_flyer.pdf

お申込み お申し込みは終了しました。



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西会津町立西会津中学校で公開授業研究会が行われました

11月22日(金)に、福島県西会津町立西会津中学校(校長:五十嵐正彦先生)において、公開授業研究会が開催されました。

この研究会は、ふくしま「実践データ活用」学習指導重点事業の一環として、研究主題「読解力の向上を目指した授業のあり方〜リーディングスキルテストの活用と結果の分析を通して〜」として実施されたものです。

公開授業では、保健体育、英語、社会の3教科で、それぞれリーディングスキルを育むことを盛り込んだ研究授業が実施され、その後の分科会では、参加した教育委員会、各校の先生方を交えた研究討議が行われました。

全体会では、リーディングスキルテストの実施から見えてきた課題と、それを踏まえた当校の取り組みについて研究主任の先生から報告がありました。

最後に、当研究所研究員の目黒朋子と菅原真悟から、リーディングスキルテストの結果に基づいた授業改善に取り組むことが重要であるとコメントしました。

西会津中学校では、リーディングスキルテストによって子どもたちの課題を明確にしたうえで、授業改善にとりくむ実践が根付いてきているようです。

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研究授業を行いました(戸田市立戸田中学校)

 

6月20日(木)、埼玉県戸田市立戸田中学校で基礎的な読解力を高めるための研究授業が実施され、当研究所代表理事・所長の新井紀子がゲスト講師として中学3年生を対象に授業を行いました。 

今回の研究授業は、中学3年生の国語の時間を用いながら理科の授業内容ともリンクする教科横断型の授業です。当授業は、6月11日に板橋区の校内研究会で本研究所研究員の菅原が提示した新井の授業案を、新井自らが実践した形となります。

 今回は、リーディングスキルの「推論(既存の知識と新しく得られた知識から、論理的に判断する)」と「同義文判定(与えられた二文が同義かどうかを正しく判定する)」の2つの能力を育てることを念頭にしています。

 戸田市で採用している中学3年国語教科書(光村図書『国語』)の「月の起源を探る」を教材に、理科教科書(大日本図書『新版 理科の世界3』)を使って太陽系の起源などの知識を確認しながら、批評的読解をするとはどのようなことなのかを学ぶことが目標になっています。

 まず授業では、「月の起源を探る」を読み解くために必要な知識を理科教科書で確認したうえで、万有引力や遠心力について実験を通して理解できるように組み立てました。
それをふまえて、「月の起源を探る」で紹介されている月の起源についての4つの仮設、(1)分裂説、(2)共成長説、(3)捕獲説、(4)巨大衝突説について、教科書に書かれていることをひとつひとつ検証していきました。

 

授業後の協議会では、戸田中学校のRS部会の先生方と戸田市の戸ヶ﨑教育長と新井指導主事も参加されて、どのように子どもたちの読解力高める授業を行えるのか、教科横断型の授業を実施するためにはどのようにカリキュラムマネジメントを行っていったらよいのか、など熱い議論が行われました。

 

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管理職を対象に講演を行いました(板橋区教育委員会)

 

4月4日(木)に板橋区教育委員会で開催された「平成31年度『読み解く力』説明会」において、本研究所所長・代表理事の新井紀子が「『読み解く力』を支える基礎的読解力の育成について」と題して講演を行いました。

1月30日の第3回区長記者会見で発表されたように、板橋区は2019年度から3年計画で全区立小中学校(74校)にリーディングスキルテストを導入し、本テストの実施を通じて子どもたちに必要とされる「読み解く力」の育成に力を入れ、子どもたち一人ひとりの学力定着・向上をめざしています。

「平成30年度第3回区長記者会見」開催(平成31年1月30日)

新井の講演では、最近のAI(人工知能)研究から明らかになった人間とAIの違いをお話し、AI時代を子どもたちが生きぬくためには基礎的読解力を育むことが重要であることをお伝えしました。

子どもたちが自学自習できるようになるためには、RSTの「同義文判定」と「推論」が必須の能力になります。「同義文判定」ができないと、記述式のテストの採点が一人ではできず、先生の模範解答と一言一句同じにならないといけないと思い、すべて書き直してしまいます。また、「推論」ができないと、学んだ事柄をつなぎ合わせて新しい知識を獲得することができず、すべてを暗記していくしかありません。

ただ、RSTはあくまでも診断を目的として開発したテストなので、RSTの結果を良くすることをめざすのではなく、子どもたちが教科書をひとりで読んで意味を理解できることを目指してほしい。それが、公教育の最重要課題であると強調しました。

今回の「『読み解く力』説明会」には、年度初頭にも関わらず全区立小中学校の管理職(校長・副校長)およそ150名の参加がありました。

今回の講演にさきがけ、教育委員会から参加される先生方には事前課題が課されていました。その課題の内容は、「読み解く力」に関して子どもたちがどのような誤読をしているのか、文の理解ができているのか、などの状況について具体例をあげて回答するものでした。

講演のあとのワークショップでは、今回の講演内容をふまえて「学びのエリア」(板橋区では、小中学校の連携を密にするため区立小学校を区立中学校単位に分けて、「学びのエリア」と呼んでいます)の先生方で集まり、持ち寄った事前課題をもとに子どもたちの状況についての報告しあい、小学校6年生までにどのような準備をさせてから中学校に来てほしいのかを協議しました。

ワークショップの後、ある校長先生が、子どもたちの基礎的読解力を育成する必要性について校内で「危機感」を共有していきたいとおしゃっていました。時間は限れていましたが、管理職の先生方の間で基礎的読解力の重要性と子どもたちがおかれている状況についての問題意識を共有していただけたと思っています。

 

 

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